このブログ、カウンターがついてるんですね?
右下の、アーカイブ(月別記事)の下のとこに。ピンクの。
あいつのおかげで、私、一日にどのくらいの方がここにいらしてくださってるのかを知れているのですが、
お休みの日にまでブログに来てくださってる方、本当にありがとうございます!!!!!!
すごく嬉しいです。お休みなのにmonahoの文字をわざわざクリックもしくはタップしてくださってる方がいらっしゃるなんて、もう、その現場に押しかけたいくらいありがたいです。もうー!好き!
最近ろくに更新せずにすみません。
いつまで私の幼子問題がトップにくるんだ、というわけで、近日公開?の、ロコさんリクエスト「現パロ・高校クラスメイト、御頭がナナメ上の行動で操をゲット」から一部をちらっとだけお見せしようかと思います。予告編とゆーやつです。
こないだの「賢く愛せよ」にも予告編がありましたが、あれよりはちょっと短めです。あと、内容は変更になる場合がございますのでご了承ください。
それではボタンから!
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ほぼ女クラ、という言葉を、蒼紫は高校二年になるまで知らなかった。
そんな言葉はいったい何年前からあったのだろうか。「女クラ」自体入学後に知ったのだから、決して気づきが遅いわけではないと信じたいが。
ほぼ女クラ、いや女クラというのは、要するに女子のみのクラスのことだ。女子クラス、略して女クラ。うまいことできている、語感がよい。そしてほぼ女クラというのは、文字通り「ほぼ女子クラス」を指す。
例えば、蒼紫の通う高校の二年五組のようなクラスがそうである。
「えっ、ね、今年化学選んだのあたしだけ?」
「操ちゃん化学にしたの!?」
「うわー、やらかしたね」
「嘘でしょ、みんな化学じゃなかったの!? なんでー!?」
教室に入れば響いているのは女子の笑い声、悲鳴、youtubeの動画の音声。そして漂うお菓子とパンと弁当の匂い。これがほぼ女クラの実態である。
蒼紫はすいすいと机の間を抜け、足早に自分の席へ腰掛けた。前の席の緋村が椅子を傾けて「おはよう、蒼紫」と声をかけてくる。
「こっから見てたけど、お前また他校の子に追っかけられてるんだな」
「迷惑な話だ」
「もうちょっとオブラートに包むことを覚えろよ……」
三階の窓際ともなれば、正門も丸見えである。おおかた正門前で女子に詰め寄られているのを目撃されたのだろう。緋村は毎回「そんな無下に扱わなくても」と眉尻を下げているが、追いかけられるこちらの身としては迷惑の一言に尽きるのだ。蒼紫は別に女好きでもないし、あそこまでもてはやされると却って申し訳なくすら思えてくる。
ともかくいいのだ、他校のよく分からん女子にモテなくとも。――蒼紫は視線をふいと動かした。教室の真ん中で友達に囲まれながら、なにやら悲痛な叫びを上げているのは、巻町操という女子だ。腰の辺りまで伸びた髪を三つ編みにして、いつもしっぽのようにくるくると跳ねさせている。にこにことして愛想がよく、快活で、笑顔でいないときなどないのではないかと思うほどよく笑う子だった。その愛らしい笑顔がよいのか、はたまたあっけらかんな性格がよいのか、女友達は大勢いる。今のように、ふと目を向ければ大体4,5人の友達と一緒に――
「蒼紫」
たしなめるような緋村の声がした。緩慢に操から目を離し、こちらも不満げに緋村を見る。緋村はわざとらしくため息をつきながら、それでも口許だけはにやりと笑ってみせた。
「そんな見つめたら穴開くだろ。操ちゃんに」
「……お前、そんな慣用句を信じているのか? 視線で人体に穴を開けることは不可能だ」
「お前こそ本気にするんじゃないよ」
蒼紫はいいのだ、他校のよく分からん女子にモテなくとも。たったひとり、巻町操にさえモテれば。
蒼紫の去年のクラスは男女比が半々だった。一年次は文理関係のないクラス分けなので、大体が蒼紫たちのようなクラス構成になっている。操と蒼紫はこの年からクラスメイトであった。だが今のようなアレコレ(といっても蒼紫が一方的に思っているだけだが)はなく、単にクラスが同じというだけ、もう少し言えば、このとき蒼紫に、操に対する興味はなかった。
人種が違ったのである。
蒼紫は決して友達がいないわけではないが、かといって大勢でわいわい騒ぐようなタイプではない。休み時間などは席から動かず、本を読んだり、部活の練習に行ったり、その程度であった。しかし操は違う。去年から活発で、席が近い子たちとはあっという間に仲良くなり、入学早々に大盛り上がりしていた。時間があれば他クラスの友達のところにまでおしゃべりに行ったりするほどである。蒼紫とは真逆だった。だから何となく、あの騒がしい女とはあまり近づきになりたくないな、とすら思っていた。
ところがどっこい、高校には席替えというシステムがある。
夏休み明け、気分一新しようか、という担任のゆる~い一言がきっかけで、くじ引きによる席替えが行われた。
ご想像通り、蒼紫は操の隣の席になったのだ。正直まだ蒼紫には、操に対する苦手意識があった。あの高いテンションで話しかけられても、自分は面白い話ができるわけではない。一緒になって騒げるわけでもない。くそ、面倒なことになった。
しかしくじ引きに文句は言えず、大人しく椅子を上げて席を移動する。なんとでもなれ、と半ばヤケクソで机を下ろすと、隣から控えめに「あの」と声を掛けられた。このがたがたと騒がしい教室の中では、聞こえなくともおかしくないほどの小さな声。操だった。
「蒼紫くん、隣、だよね。巻町操です。よろしくね」
普段のハイテンションはどこへやら、操はそう言って微笑んだ。机を抱えたまま、椅子の足の向こう側で彼女が小さく頭を下げる。
一瞬、言葉を失った。
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最近になって学パロの楽しさに気づきはじめた慶がお送りしました。お楽しみに?