monaho

monahoって、エスペラントで、僧侶の意味なんですって。

ぱぱ、おあずけ

 さ~てみんな集まって!

 ちびまる子ちゃんが始まるよ~!

 (ピーヒャラピーヒャラ)

 

 といえばおなじみ「ちびまる子ちゃん」ですね。

 日曜の夕方を彩る超売れっ子小学生です。

 あれの、今週(6月11日放送)の回が、もう、どうしようもなく面白かったので、感想として小話を書きました。

 現パロ蒼操・娘いる設定です。

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※120%ギャグです

 格好いい御頭は影も形もありませんのでご注意です。

 

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 「ぱぱぁ、まるちゃんみるー」

 「そうか」

 日曜日のテレビは娘のものだ。朝は教育番組の再放送と”コンサート”(教育番組の某ホールでのショーだ)、借りてきたアニメのDVD、夕方にはやはり教育番組の再放送――待て、テレビばかり見せているわけではない。ワイドショーやぬるい討論番組しかやっていない昼間は、若葉のしたいままに遊ぶ。公園に行ったり、ままごとだったり、車で出かけたり、だ。再来週は郊外の自然公園に行く。近所の公園は飽きたろうと思い、「大きなトランポリンと長い滑り台がある」と持ちかけると、「いいのー!?」とまるで昔から行きたがっていたかのように喜んでくれた。あのときの喜びようといったら――。風呂に入れていて、「ぱぱのおやすみいつ?」と訊かれたので、なんとなく思いついて言っただけだった。するともうすぐにでも飛び出していきそうな勢いではしゃぎ、風呂から上がると鉄砲玉のように操に飛びついていって、公園に行くのだと報告していたのだった。以来、カレンダーを毎日毎日眺めながら、「こうえんいくのあした?」と呟いている。こんなに可愛い生き物があるか? 俺が家に帰れば一目散にしがみついてき、書けない文字で「ぱぱだいすき」と書いて寄越し、「ままとわかちゃん、どっちがかわいい?」などと訊いてくるから「どちらも」と返せば耳まで赤くして照れる。世界中の可愛いをひとかたまりにして、磨きに磨いたような子が、俺と操の娘なのだ、と考えるだけで、もう、……

 話が逸れた。

 テレビを見るときの若葉の定位置は、俺の膝の上だ。俺が家にいるとき、若葉はいそいそと俺の膝に乗ってくる。甘えているのだ。今日もとことこと歩いてきて、よいしょとソファに乗り上げ、ちょん、と膝に座る。一度ものすごい勢いで座られ(よっぽど俺に甘えたかったらしい)、その余りの勢いに呻いてしまったことがある。それを聞きつけた操に「パパのおひざは静かに!」と言われてから、若葉は静かに乗ってくるようになった。いじらしいことこの上ない。

 「まるちゃんねえ、ぱぱでてるの」

 「俺は出ていないよ」

 「でてるよー。ほらねっ」

 若葉はぷくぷくの指でぴっとテレビを指さした。画面にはメガネをかけた女の子と、その隣に同じくメガネの男。若葉には俺がこんなに冴えない男に見えているのだろうか。もしそうなら泣きたい。

 と、男がいきなりカメラを構え、女の子を撮影し始めた。若葉はきゃあと嬉しそうに跳ねる。

 「ねっ、ぱぱ!」

 成程な。俺は苦笑した。

 若葉は、カメラを持たない俺を知らない。娘が生まれてからというもの、俺は本格的にカメラを始めた。きっかけはなんだったか、確か操の買っていたたまごクラブだ。あれに載っていた写真を見て、「こんなの可愛いね」と操が話していた。その写真のコメントには、子供が生まれてからほぼ毎日シャッターを切っているといったことが書かれていて、生まれてみればそんなふうになるものなのか、と半信半疑だったのだが――人生どうなるか分からない。

 こんなに小さく、こんなに愛らしい子が、いつかは大人になる。子どもでいてくれるのはほんの十数年で、どんどん大きくなっていく。まして幼いうちは、日ごとに成長していくのだ。昨日は言えなかった「おくすり」が、昨日はできなかったボタン締めが、いつのまにかころっとできるようになっている。そんな小さな一歩一歩を、なんとか形に残しておきたい。今日の日は二度と戻らないのだから。そう思うと危うく泣きそうになるので代わりにシャッターを切る。毎日。

 「おしゃしんねえ、いっぱいとるんだよ」

 「そうか。俺と同じだな」

 「うん。ぱぱといっしょ。ふふ」

 はーーかわいい。

 まずい。キャラがぶれた。

 若葉を膝に乗せたまま、アニメは進む。人にカメラの使い方を教えるメガネ。あの女の子は彼の娘だという。愛を込めればいい写真が撮れる――か。冴えないがなかなかいいことを言う。

 物語中盤、男は「もう一台カメラを」と言い出した。なんでも娘がたまたまカメラを手にしているところを見、その光景を写真に収めたいと思ったのだという。しかし男の持っているカメラは、今娘の手にある一台のみ。これではカメラを持った娘を撮れない。そこでカメラを買うため、家族旅行をとりやめ、資金を集めたいのだという。

 若葉がくるりとこちらを見上げた。

 「ぱぱ、ぱぱもする?」

 「俺も?」する? というのは、この男のように、ということだろう。「そうだな。するかもしれない」

 「ほんと?」

 若葉はけらけら笑う。俺はその頭を撫ぜた。

 するだろうな。もし若葉がカメラを持っていたら、絶対に撮りたくなる。自慢ではないが俺の買ったカメラはニコンの一眼レフで、そこそこ値の張る、しっかりとした作りのものだ。子どもには重い。それを一生懸命、落とさないように、若葉が抱える。……かわいいじゃないか。

 「ままー、ぱぱもかめらかうって」

 「えー?」

 夕食の片付けを終えた操が、エプロンを外しながらこちらに来た。「あ、まるちゃんね」とにこにこしている。

 「ぱぱもねー、あのねっ、わかばがかめらもってたらねえ、もいっこかめらかうってー」

 「たまちゃんのパパみたいに?」

 「うん!」

 「そっかあ」

 操が若葉の頬をつついたあと、まっすぐに俺を見上げて、

 「じゃあパパのカメラも没収しなきゃね」

 迷いなく操が指さした先には、テレビ。その中では、男の妻らしき女性が、「しばらくカメラ禁止!」と目をつり上げている。

 「…………え?」

 「一週間。できるよね、パパ」

 なぜそうなる。

 なぜそうなる。俺はただふざけて言ってみただけなのに。

 もしかして操もふざけているだけか、と思い直して、ちらりと若葉を見下ろすと、

 「ぱぱ、かめらぼっしゅーね?」

 今日一番に楽しそうな、それこそ写真に撮りたいくらいの笑顔を向けられた。

 

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 現パロの御頭ってカメラ携えてそうじゃないですか?

 私は勝手に一人娘を創作していて、これを溺愛しているという設定を作りました。で、もうことあるごとに、娘や操の写真を撮りまくっていると思うんです。

 もう何をするにもカメラ。どこへ行くにもカメラ。おさんぽ中に、遊園地で遊んでいるときに、操のお手伝いをしているときに、お昼寝中に、激写。してそうじゃないですか?

 まるで「ちびまる子ちゃん」に出てくるたまちゃんのお父さんのように…!

 というお話を最近ずうっとさせていただいていて、そこへまるちゃんの思わぬ供給があったのです。まさかこんな回がこんなタイミングで放送されるとは。

 どんな供給にもホイホイ飛びつく慶は、この回のたまちゃんのお父さんとたまちゃんをすべて四乃森蒼紫と娘に変換して観ていました。

 最高に面白かったです。

 

 

 もう自分で書いていて御頭のキャラが分からない…(笑)