monaho

monahoって、エスペラントで、僧侶の意味なんですって。

そのうちやるお話

 あっつい!!!!!!

 それしか言えません。暑すぎ。暑さには弱いのです。やめて。地球。

 みなさんも暑さには勝とうとせずに涼んでください。のどが乾いたな、と思ったときに水分補給、では遅いそうですよ。とにかく飲む。ポカリとかを。

 

 さて、

 暑さを吹き飛ばす怪談でもできればいいのですが、生憎ホラーは大の苦手ですので、企画が終わったらやることをちらっとまとめておこうかと思います。

 でもでも、ここにまるきり「今後これ書きます!」では何のアピールか分かりませんし、慶は次に何を書くんだろうという(なけなしの)(あるかどうか分からない)楽しみがなくなってしまいますよね。

 なので、ちらっと。

 

 冒頭シーンだけ。

 なんとな~く考えているところですので、そのうちアップするだろう本編では、以下を改変する可能性が多分にあります。ごめんなさいね。

 

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◎ニコニコ警官コンビ

 藤田五郎という男は、飄々として、平静を安寧に暮らしたいと思う、至って普通の人間である。面倒事は避け、余計な賭けをせず、ただ己の興味のままに動く。そのためには周囲との一定の距離が必要だった。だが組織に属する以上、孤狼と化す――表面上の意味で――のは得策ではない。藤田五郎は笑顔を選んだ。常に笑顔でいることの、なんと従順そうなことか。常に笑顔でいることの、なんと不気味であることか。
 
 「おっと、失敬」
 蕎麦屋の暖簾を出ると、人にぶつかった。反射的に謝罪し、ぶつかった相手の顔を窺おうとする。が、その前に、白いものに目が行った。ひらりと小さな白いものが宙を舞い、花弁よろしく落ちてくる。藤田はそれを拾い上げた。
 「ああ、ありがとうございます」
 「いえ、失礼しました」
 「こちらこそすみませんでした」
 そこで初めて顔を見る。相手は青年であった。おやと思う。向こうも灰色の制服姿である。近くにある警察署といえば、藤田の勤め先しかない。が、どうにも見ない顔だ。訝しくは思うが、藤田五郎は面倒を厭う。では、と会釈もそこそこに立ち去ろうとすると、「あのう」と青年が声を掛けてきた。
 「もしや、こちらの署の方ですか」
 彼が挙げた名は、まさしく藤田の配属先である。ここで無視するわけにもゆかず、藤田は笑んだまま振り返った。
 「はあ、そうですが」
 「ああ、よかった」青年は困ったような笑顔を浮かべた。「情けない話ですが、どうにも地理に疎くて。署はどちらでしょう」
 「それなら、ここを真直ぐに行って、みつ屋という呉服屋を左に折れるのですよ」
 「みつ屋……。左に折れたらすぐでしょうか」
 「ええ。正面に門が見えますから」
 「そうですか。助かりました、ありがとうございます」
 ほっとした顔をされて、藤田は笑みを深くした。自分のことは棚に上げるが――、この青年の愛想の良さときたら、金貸しでも営めそうだ。もっとも、すぐに踏み倒されて路頭に迷うだろうが。
 「急に応援を任されて、事件解決まで赴任することになったんです。私は七塚と申します」
 「七塚さん」
 「はい。是非あなたのお名前をお聞かせ願いたい」
 「……なに、しがない一警官ですよ」
 にこり、笑われたから、にこり、笑い返す。大の男にこうもへらへらとされると、却って気味が悪いもんだな、と腹の底で斎藤一が鼻を鳴らした。
 
 
 
 ◎アラビアンあおみさ
 コーランの詠唱は砂漠にまでも流れてくる。
 この砂漠がどこまで続くのか、試した者は誰もいない。東に行けば巨大な帝国があるとも、或いは大地がどこかで途切れ、そこから先は奈落になっているともいわれている。そういった夢物語は腐るほどあった。つまるところ、この地平線の先がどうなっているかなど、どうでもよいのだ。人々はただ、赤く潤んだ朝日がやがて再び砂に埋まるまで、一日を生きられればそれでよい。
 その赤く潤んだ太陽が、こと日没が美しいと――それで一帯を”赤い国”、バラドゥン・アハマルと呼んだのは、先人たちの感性だ。白い宮殿からバラックまでもが、朝と夕には真赤に染まる。濃紺の夜空が、黄、橙、桃、そして白く輝いたかと思うと、ぎらりまばゆい太陽が真青な空に上る。夕時には西から紫に蝕まれ、僅かなあいだ、空の端が桃色になる。そこへ溶けたブルトカールのような陽が、ゆるりと飲み込まれていく。その様。いかな刺繍よりも美しく、いかな武者よりも壮大だった。
 赤い国。
 
 カミーズの白いのが気に喰わなかった。
 一度思うと止まらなくなり、使用人に替えを持ってくるよう言いつける。しかし蒼紫さま、先日の戦で布は――、と怖々言い出す、その言い方も気に入らず、貴様も磔になりたいのか、と怒鳴ると早々に逃げ出した。
 喉を掻きむしる。足にまとわりつくシャルワールも腹立たしい。この苛立ちをどうしたものか、と窓に目を遣ると、城下が騒がしかった。キャラバンが着いたらしい。アバヤ姿の女や、役人のカフィーヤも見える。ジャマルの背から荷を降ろす親父はやたらに恰幅のいい男で、長いキャラバン生活も、そう苦労ばかりではないようだ。
 それに比べて己はどうだ。この城を下手に出られず、未だ戦乱の片付けもままならぬ。不甲斐ない――、舌打ちすると同時に扉が開いた。
 
 
 
◎現代若葉
  7月。
 梅雨前線は抜けたのか抜けてないのだか、例年にない暑さは最早例年通りではないのか、この夏1番の暑さは一体何回来るのか――。
 「風が抜けないわけじゃないんだけどなあ」
 四乃森若葉は一人、部屋のテーブルに突っ伏して呟いた。窓は全開、扇風機も全開、廊下へのドアも全開。そよそよと風は通る。が、通る風も滞る空気もいいようのないぬるさで、涼しさは微塵もない。
 昼間からクーラーをつけては電気代が馬鹿にならないので、半日はこれで耐えなければならない。節電である。温暖化を止めるのだ。
 しかし、暑いものは暑い。そう考えるともうだめだ。暑い。なんとかしたい。服はこれ以上どうしようもない(半袖の袖をさらにまくって、膝丈のガウチョをはいている。さらさらする生地なので、ジーンズなんかよりはよっぽどいい)。風を起こすことも出来ない。なにか、なにか涼を感じられるものは――
 「あっ」
 ちょっと疲れたな、くらいのほうが、案外いいアイディアが浮かんだりする。
 
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 こんなラインナップです~
 順番や時期やそもそも本当に書くかどうかも怪しいですが、「これ気になる!」などのご意見をいただければ張り切って取りかかります\\\٩( 'ω' )و ///