あおみさ一人娘シリーズ、「絶対に御頭が一度は言ってそうなこと」編②
…って、まんま昨日の「真田丸」ネタなんですが…。昨日の真田丸見ました? めっちゃおもしろかったですよね? 草刈さんのイイ声での桃太郎と、そこに群がるちびっこたち……藤岡弘に追っかけ回され号泣のちびっこ…ちびっこ可愛かった…しあわせ……井浦しんじゃったけども…あの人最後までギャグの立ち位置にしか見えなかったよ……徳川かわいい…あと秀吉むごい…リアル……老いざまがリアル…三成の「眠くないッ!!」もよかった…すっごいよかった……昨日イチだった…いやあ……いい大河だ……
それからたった今BLEACHの衝撃的なお知らせ“来週が最終回”を受け取って愕然としている慶です。いざ終わるとなると愛しくなってくる。BLEACHは青春だった…
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「とうさま、ももたろうのお話して?」
こう言われると蒼紫はだめだ。帳簿で忙しくとも、読書に夢中であっても、若葉を膝に乗せてしまう。きらきらと期待に満ちた目が可愛くて仕方ないのである。操の幼い頃もまあ愛らしいものだったが、今の妻と娘では可愛いの意味合いが違ってくる。
「昔々あるところに」
操は桃太郎が犬に会う前に眠くなるのが常であった。本を読めとせがむくせに、最後まで聞いた試しはほとんどないのだ。しかし若葉は違う。最後まで本当に楽しそうに聞く。しかも終わるとぱちぱち拍手までくれるのだ。これが可愛くないわけがない。
「……鬼ヶ島に着きました。桃太郎は足音を殺して上陸しました。まずは雉に偵察させます。すると鬼は宴会の真っ最中でした。猿、犬、桃太郎は裏手に回り、まずは鬼たちの退路を絶ちました。」
「たいろってなに?」
「逃げ道だ。鬼に逃げられては退治できぬだろう?」
「そっか! ももたろう、あたまいいね」
「犬たちを率いるならそのくらい考えついて当然だ。……それから麻酔と毒を仕込んだ針を鬼どもに撃ち込みます。数匹の鬼を眠らせ、またじわじわと毒で殺しながら、桃太郎はいよいよと煙玉を投げ込みました。突然のことに逃げ惑う鬼を、猿は身軽に小刀で、犬は喉笛を鋭い牙で、雉は颯爽とくちばしで殺していきます。鬼たちは桃太郎一行のあまりの強さに皆降参しました。もうしないから許せと言います。しかしそれでは任務成功ではありません。桃太郎は首領と側近の鬼の首を取り、京へ戻って四条河原で晒し首に」
「蒼紫さまたいむ!!!」
すぱぁんと勢いよく障子を開いて操が現れた。若葉も驚いて蒼紫の着物をぎゅっと掴む。
「今すっごい物騒な言葉が聞こえたんだけど」
「四条河原で晒し首のことか」
「それ!! 若葉になんの話してるの? 何をどうしたら四歳との会話で晒し首が出てくるの?」
「ももたろうだよー」
若葉があっさりと言った。にこにこしている。お得意の「それってなに?」攻撃もせず、ただただ楽しそうにしている。蒼紫はそれで満足である。しかし操の顔はますます青ざめる一方で、「あたしの知ってる桃太郎と違う……」と絶句するのみだった。